内分泌内科について
担当医紹介
西尾 理恵(にしお りえ)
- 日本糖尿病学会認定 糖尿病専門医
- 日本内分泌学会認定 内分泌専門医
- 内分泌代謝・糖尿病内科領域専門研修指導医(領域指導医)
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甲状腺疾患について
甲状腺は、のど仏の下に位置する臓器で、蝶が羽を広げたような形をしています。
甲状腺は、人体のエネルギー代謝や循環などの調節をつかさどる「甲状腺ホルモン」を作っており、全身の様々な生理機能に不可欠な働きをしています。
この甲状腺ホルモンが過剰に分泌されたり、不足したりすると体に様々な不調な症状を生じます。
甲状腺の病気は大きく分けると以下の3つになります。
甲状腺中毒症
<甲状腺ホルモンの分泌が多くなる疾患>
・バセドウ病
・無痛性甲状腺炎
・亜急性甲状腺炎 など
甲状腺機能低下症
<甲状腺ホルモンの分泌が少なくなる疾患>
・橋本病(慢性甲状腺炎) など
甲状腺腫瘍
<甲状腺の形態に異常をきたす疾患>
・腺腫様甲状腺腫
・甲状腺悪性腫瘍(乳頭癌、濾胞癌など)
代表的な疾患について
A バセドウ病
若年女性に多く見られる自己免疫疾患の一つで、自分の甲状腺を異物とみなして攻撃する自己抗体(甲状腺刺激ホルモン受容体抗体;TRAb)が作られ、甲状腺を刺激することにより甲状腺ホルモンがたくさん作られます。
一般的に甲状腺は大きくなり、甲状腺ホルモンの過剰により、動悸、発汗、息切れ、微熱、体重減少、疲れやすい、イライラするといった様な症状が見られます。また、人によってはまぶたが腫れたり、目が出たりすることもあります。
上記症状は更年期症状と間違われることも多く、他の疾患でも生じることがあるため、診断のためにはまずは血液検査で甲状腺ホルモンの値を確認する必要があります。
当院では甲状腺の触診、血液検査、必要に応じて心電図検査、胸部レントゲン検査などを行い、バセドウ病を疑った場合は、連携施設に甲状腺超音波検査を依頼し、診断と治療を行なっております。
治療には抗甲状腺薬の内服、外科的治療(手術)、放射線ヨード内用療法(アイソトープ治療)の3つの選択肢があります。それぞれの治療法に長所と短所がありますので、患者さんの状態や希望に応じて丁寧にご提案いたします。
B 橋本病(慢性甲状腺炎)
バセドウ病と同じく、自己免疫性疾患の一つで、自分の甲状腺を異物とみなして攻撃する自己抗体が作られ、甲状腺に慢性的な炎症が生じます。女性に多い病気で、成人女性の20〜30人に1人程度の頻度で見られるため、気が付かずに過ごされている方もいらっしゃいます。炎症による痛みなどは基本的に生じませんが、慢性的な炎症により甲状腺が腫れることも多く、一般的には甲状腺機能が徐々に低下していきます。
甲状腺機能低下症の症状としては、手足や顔のむくみ、体重増加、便秘、寒がりになる、気力が湧かない、疲れやすい、などの症状が出てくることがあります。症状には個人差がありますが、うつ病や認知症と間違われる場合もありますので、診断のためには血液検査で甲状腺ホルモンの値を調べる必要があります。
また、橋本病の方では、甲状腺が一時的に破壊され、甲状腺ホルモンが過剰に血液中に溢れでることがあり、バセドウ病の様な症状を呈することがあります。バセドウ病とは異なり、通常は一時的な病態であり、無痛性甲状腺炎と呼びます。バセドウ病とは治療方針が異なるため、慎重に診断と治療にあたっていく必要があります。
甲状腺ホルモンが不足している場合の治療は、甲状腺ホルモン剤の補充となり、基本的には生涯にわたって内服が必要となります。また、妊娠中または妊娠を希望されている橋本病の女性の方は、赤ちゃんの発育のため、通常時よりもより厳格な補充が必要となりますので、お気軽にご相談ください。
C 甲状腺腫瘍
甲状腺腫瘍は他の臓器と同様に良性腫瘍、悪性腫瘍いずれも発生します。基本的には甲状腺ホルモンの分泌は正常なため、自覚症状は腫瘍が大きくなるまで出ないことがほとんどです。腫瘍が大きくなると、甲状腺の周りにある気管や食道を圧迫し、首の違和感や飲み込みずらさ、声がれなどを感じることがあります。稀ではありますが、甲状腺ホルモンを産生する腫瘍(機能性結節)もあるため、その場合はバセドウ病の様な症状を呈することもあります。
甲状腺腫瘍を疑った場合は、血液検査と甲状腺超音波検査を実施します。超音波検査で腫瘍の大きさが大きい場合や悪性を疑う場合には、超音波ガイド下の穿刺吸引細胞診が必要となるため、連携施設へ紹介しております。
良性腫瘍・結節(腺腫様甲状腺腫など)であれば経過観察が基本となり、悪性腫瘍(乳頭癌など)の場合はその種類によって手術などが行われます
